黒龍の柩/北方謙三

物語の主人公は新撰組副長・土方歳三。池田屋への斬り込みから五稜郭での闘いまでを描いた小説。

食うために、選ばざるを得なかった新撰組という人斬りの道。迷いが無かったと言えば嘘になるだろう。それでも、京で治安維持に勤めていた頃は華やかだった。「誠」の旗を見たものは自ずと道を空け、そんな旗印が誇らしくもあった。 続きを読む

草莽枯れ行く/北方謙三

官軍の先鋒・赤報隊を率いる相楽総三。

倒幕に人生を賭けるがいつしか偽官軍のうわさが流れ、やがて悲劇的な結末を迎える。官軍の汚い仕事を請け負った挙句に最後は使い捨てにされたのだ。しかし、本書は混迷する幕末の時代に、自分の信じる道をひたすらに生きた純粋な男の物語でもある。 続きを読む