影武者徳川家康/隆慶一郎

1600年、濃霧のたちこむ関ヶ原で家康が暗殺された。

影武者が臨時に指揮を取り東軍を勝利に導いたが、合戦に勝利し天下掌握後もなお数十年間にわたり家康を演じ続けざるを得なくなってしまった影武者。権力とは無縁の生き方をしてきた影武者に、家康が築いた権力が重くのしかかる。

後に風魔一族を味方につけ、秀忠率いる柳生一族との政治権力闘争が繰り広げられる。

この作品で登場する島左近が実にイイ男で、文庫本上巻p.504ページめあたりから始まる花見を想像するのシーンの描写に感動し、何度も読み返した。

読了:1998年 2月

この作品は1998年にテレビドラマ化された。原作のイメージが強すぎてこれといった印象が残らなかったのだが、2014年1月2日に「新春ワイド時代劇」(テレビ東京のサイトへ移動します。)としてテレビ放映されたドラマは、とにかく主役を演じた俳優のイメージが先行してしまったのだが、そんな柄でも十分アリだと思えた。