オリンピア/沢木耕太郎

1936年、ベルリンオリンピックに出場した日本選手団の活躍を描いた小説。

ライバル国との駆け引きあり、選手同士の友情あり、今だから言えるこぼれ話あり、とオリンピック出場にかける選手たちの、それぞれの意気込みが良く伝わってくる。そして、彼らはそれぞれの思惑を胸にベルリンへと旅立った。

ベルリンまでの道のりを読んでいるだけでも、ちょっとした旅行記を読んでいるような気分にさせるが、このあたりの面白さは「深夜特急」を書いた著者ならばお手の物なのだろう。

本書は、1938年に公開された、ベルリンオリンピックの記録映画、「オリンピア」の監督を務めた女性、レニ・リーフェンシュタールへのインタヴューをもとにして書いた小説であるらしい。

読了:1998年 9月