血族/シドニィ・シェルダン

世界規模の製薬会社ロッフ。創始者サミエル・ロッフの意向通り、重役に血族のみを揃え、株を公開することなく事業を展開していた。

が、株の公開に否定的だったのは社長のサム・ロッフのみで、重役は皆、株の公開を望んでいた。重役それぞれが深刻な個人的事情で大金を必要としており、公開された株を売ることでそれらの解決を切望していたのだ。そんな時、サム・ロッフが突然の事故死。社長の椅子を継いだのは娘のエリザベスだった。

彼女は重役たちに株の公開を迫られた。が、ある日、彼女は父の死が誰かの裏切りによってもたらされたものだった事を知った。重役たちの誰かだ。そしてエリザベスは身の危険を感じながらも、裏切り者を探し出し、そして戦うことを決意した。

本書は、いわゆる犯人さがしの小説だ。重役すべてが会社を裏切るべく充分な動機をもっており、ことあるごとに、「裏切り者はコイツか?」などと思いながら読んでいたが、結局、犯人がわかったのは最後の最後だった。

読了: 2003年2月