軍師 竹中半兵衛/笹沢左保

「荒馬を乗りこなすのが楽しいだけで、馬を飼うのは性に合わぬと、半兵衛はいう。天下を治めるのは馬を飼うことに似ている。」バックカバーより。

半兵衛は、稲葉城返還後に隠棲生活を送っていた。厭世的な生活をつづける毎日。ある日、猿面の男が半兵衛を訪れる。半兵衛を軍師として迎えたいという。これは三国志の「三顧の礼」を地で行くような話ですね。劉備が諸葛孔明を軍師として迎えるあの話。

この小説のエンデイングで、病に臥した半兵衛が、うなされる様に部下の赤丸に指示を与えるシーンがある。このシーンは読者の涙を誘う。己の人生の意味を自分自身に問いかけるシーンもあるが、そのシーンを読んで色々と考えさせられた。