タイトルの2作品の他、6作品が収録されている短編集。
まずは「白痴」という作品。 続きを読む
タイトルの2作品の他、6作品が収録されている短編集。
まずは「白痴」という作品。 続きを読む
天下分け目の関ヶ原。東軍vs西軍の構図を思い描くのが一般的だが、実は、その戦を陰で糸引く人物がいた。それが本書の主人公、黒田如水だ。
舞台は関ヶ原直後、徳川家には各地の武将たちからの密告が相次いでいた。彼らは少しでも多くの論功行賞を得ようと、他家を引き下ろすために必死だったからだ。その中には黒田家に関する密告も存在した。黒田家には謀叛の企てがあったというのだ。 続きを読む
信長、秀吉、家康。この3人の天下人に使えた名参謀・黒田官兵衛の人生を描いた小説。
頭が良すぎる。これが官兵衛こと如水の欠点だった。 続きを読む
秀吉に仕えた軍師・黒田官兵衛の生涯を描いた小説。天才軍師・竹中半兵衛と入れ替わるようにして秀吉の軍師になった。秀吉が信長に仕えていた時代、交渉に出向いた有岡城で捕われの身となり獄中生活を送った。戻りが遅いため信長に裏切り者と怪しまれ、危うく見殺しにされかかった。さらに、倅までもが生命の危機にさらされた。切れ者であるが故に疑われやすい。そんな軍師の不遇、と言ったところか。
読了: 1993年
小説の前半は、軍師としてよりもむしろ一人の人間としての官兵衛が描かれている。官兵衛はある老人との出会いをきっかけに、キリシタン的な精神世界に興味を示し始めた。
その後、交渉に出向いた有岡城で捕われの身となり、獄中生活を送る官兵衛。孤独な獄中生活で味わう様々な葛藤。そこでデウスの教えに強い影響を受け、切支丹になった。また、小説の後半では、彼が秀吉を観察する目が冷静であり、時に冷ややかでさえある。この小説で描かれている官兵衛はしたたかである。そんな官兵衛が好きではあるが。 続きを読む