弥勒世/馳星周

舞台は1960年代の沖縄。地元住民に対して横暴な米兵とそれを黙認する米軍基地。さらに、本土復帰を巡り交錯する当時の人々の様々な思惑が描かれている。

主人公は伊波尚友。英字新聞社の記者だ。英語力と卓越した取材能力を買われ米国の諜報員として働き始める。反戦GIや反米活動家など、米国にとっての不穏分子の動向を報告するのが尚友の仕事だ。 続きを読む

夜光虫/馳星周

鳴り物入りでプロ野球入りした加倉が、肩の故障を機に退団。退団後、事業に手を染めるが失敗し、借金を抱えたまま台湾プロ野球界へ転身する。しかし、そこで八百長に手を染め始め、加倉の野球人としての人生も次第に変わり果てて行った。

同じく彼の作品である「不夜城」や「鎮魂歌」とは作風が異なるが、あえてこの「夜光虫」を薦めたい。 続きを読む