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罪と罰(上・下) ドストエフスキー 新潮文庫
工藤精一郎 訳


手前勝手な理屈をこねて自分の罪を正当化する青年、ラスコーリニコフ。彼は頭脳明晰な大学生ではあるが、如何せん貧乏過ぎた。高利貸しの婆さんを殺害するが、第三者に現場を目撃されたことにより予期せぬ第二の殺人を犯してしまう。以後、良心の呵責が延々と彼を苦しめる。

主人公・ラスコーリニコフは理屈っぽく、傲慢この上ないが、私はなぜか彼を嫌いになれなく、時として痛快な彼の口調がむしろ好きでありさえする。もちろん、彼の思想や行動は決して肯定できるものではないが。

日々新しい文芸書が出版されている現在、その中には充分に楽しめる代物もある。しかし、何十年、何百年と人々に読み継がれている純文学が面白くてはいけないのだろうか。

読了: 1997年 12月

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