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速読の科学 -どこまで速く読めるか- 佐藤泰正 講談社


速読。それは本好きにとって無視し難い能力の一つであろう。本書を一冊読んだからといって速読が出来るようになるわけではないが、トレーニング方法がいくつか紹介されていた。その中で私が最も重要だと思ったのが様々な種類の眼球運動だった。また、小説、新聞、雑誌、専門書など色々な種類の本を読みそれらの文章になれることや、速く読もうと意識しながら読んでいくことも重要なトレーニングになるのだそうだ。さらに著者は、速読についてだけを述べていただけではなく、目的に応じた読み方についても言及していた。例えば、さっと読み文章の概略だけを知りたいときは”斜め読み”で十分だというし、また厳重な注意が必要な実験などを行う時には見落としが無いようにじっくりと読む必要があるのだという。速読では限界があるからだ。そこで著者は、正確に内容を把握しながら速読を行うにあたる限界点を科学的に検証している。

速く読めるに越したことは無いが、なんでも速く読めば良いと言うものでもないと思う。例えば、私が小説を読むときには頭の中にスクリーンのようなものをイメージし、登場人物たちの声の調子や雰囲気、また彼らを身近な誰かになぞらえたりしながら、ときには声に出すスピードよりもずっと遅く読むことがある。(たいてい黙読するときは音読のスピードよりずっと速いものなのだが。)小説以外でも、書籍の種類によってはゆっくりと注意深く読んだりもする。しかし一方で、速読が必要な時はそれを心掛けたりもする。著者も述べていたが、目的に応じて読み方やそのスピードを加減することが良い読書なのだと思う。

読了: 2002年01月

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