収納性&デザイン性を考えたオリジナル本棚シリーズ

ジャンル一覧

トップページプロフィールメール送信

ジャンル別作品リスト


更新情報

歴史・時代小説
鎌倉、室町時代
戦国時代
江戸時代
幕末、維新
明治時代
中国など


文藝一般&文学
エッセイ&実録等
思想・哲学・宗教・歴史


お気に入りの作家
隆慶一郎の本
吉村昭の本
司馬遼太郎の本
北方謙三の本


書名索引(50音順)

ケータイ版

 

破獄 吉村昭 新潮文庫


昭和11年から22年の間に4度の脱獄を実行した主人公。緻密な頭脳と超人的な体力を併せ持ち、その脱獄の手口は大胆且つ繊細。クライマックスは3度めに収容された網走刑務所での脱獄劇か。網走刑務所は過去に一度も脱獄の例がなく、また建物の造りも堅牢だった。そこに収容された主人公がいかなる手段で脱獄を試みるのか。看守たちを手玉に取る主人公の言動から目が離せなかった。

主人公を脱獄に駆り立てた要因をいくつか挙げたい。1つは囚人生活の厳しさ。主人公は時として非人道的な扱いを受けていたのだ。彼の脱獄歴が考慮された結果であろう。そしてもう1つは冬期の厳しい寒さ。凍傷によって体調を崩した囚人が大勢いたようだった。いずれも脱獄の動機としては十分に考えられる。主人公は4度の脱獄を実行した後、東京府中刑務所に収容され、やがて仮出所した。

また、主人公が脱獄を繰り返していた当時、世の中は戦中・戦後にあたる時期だった。食糧事情の悪化は刑務所にも影響し、人不足は看守の質の低下を招いた。本書には当時の世情が色濃く読み取れる。

主人公は脱獄した後の社会に何を見たのだろうか。生活環境は豊かになったかもしれないが、社会生活にも当然ながら規則は存在する。それは囚人規則に比べれば緩やかなのだとは思うが、その反面で不明瞭な規則が多いのも世の中だ。自由も、囚人生活中に思い描いていたほど快適なものでは無かっただろう。それどころか、社会生活を送るからこそ感じる不自由さもあったはずだ。手に汗握る主人公の脱獄を追いながら、一方では脱獄後、あるいは仮出所後の主人公が抱いたであろう心境にも思いを寄せてみた。

読了: 2003年6月

評価項目評価
一気に読めた
感動した
勉強になった
知的興奮を覚えた
笑えた
色々考えさせられた
ストーリーが良かった

>> この作品をオンライン書店で購入する
Amazon.co.jp ブックストア 破獄 (新潮文庫)
セブンアンドワイ セブン-イレブンで受取れば送料0円

 当サイトでコメントしている吉村昭の本:


Google

  • イワンのばか
    トルストイ民話集
  • 運命の劇場
  • オセロー
  • おのぞみの結末
  • カリナン
  • 仮釈放
  • 金正日暗殺指令
  • 儀式
  • 羆嵐
  • 黒い家
  • 血族
  • 高熱隧道
  • ザ・ファイナル・オプション
  • 地獄への階段
  • 十九歳の葬式
  • 小説 吉田学校
  • 初秋
  • シルミド
  • 戦艦武蔵
  • 戦場にかける橋
  • 宣戦布告
  • 騙し人
  • 血と骨
  • 罪と罰
  • 天に遊ぶ
  • 富めるもの貧しきもの
  • 名もなき勇者たちへ
  • 汝ふたたび故郷へ帰れず
  • 破獄
  • 光る壁画
  • 日はまた昇る
  • ファウスト
  • ブラジルから来た少年
  • プラハの春
  • ベルリンの秋
  • 真夜中は別の顔
  • 弥勒世
  • 夜光虫
  • レイチェル・ウォレスを捜せ
  • レディ・ジョーカー
  • レ・ミゼラブル
  • 老人と海
  • 吾輩は猫である

  •  

    Copyright(c) 読みま書架 1999-2007 All rights reserved.