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松本清張の日本史探訪 角川文庫


三世紀のヤマタイ国から江戸時代後期の政治家まで。タイトルが示す通り、日本の歴史を彩った人物や出来事についての対談集。

最も読み易かったのが戦国期についての対談だ。細川幽斎、本能寺の変、豊臣秀吉などについて語られた個所はゆとりを持って読めた。彼らは以前に読んだ小説にも度々登場していたからだ。中でも、海音寺潮五郎との対談「豊臣秀吉」が興味深い。史上、最も人気が高いと言って良い豊臣秀吉についての対談相手に、味のある歴史作家を持ってきたあたりが歴史・時代小説ファンの心をくすぐる。これを読むと、「日本歴史を点検する」(司馬遼太郎と海音寺潮五郎の対談集)を再読したくなる。また、佐渡金山についての対談では、鉱山経営を成功させた大久保長安の活躍よりも、昼夜問わずの労働で命を落とした人足たちの悲劇が印象的だった。他、大岡越前守や伊能忠敬も対談のテーマとして挙げられており、活躍の真相が探られている。

しかし、古代から中世にかけての時代について語った対談にはフォローして行くのが難しい。このあたりの時代を気持ち良く読んで行くには本格的に本書を読み込む必要があるだろう。また、田沼意次や水野忠邦ら江戸時代の政治家についての対談もあったが、彼らが主人公の小説があればいつかは読んでみたいと思えた。

読了: 2004年7月

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