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戦艦武蔵 吉村昭 新潮文庫
2年8ヶ月に渡る船体工事期間を費やし完成した巨大戦艦武蔵。その規模は従来の造船における常識を大きく変えるものだった。しかし、徹底した機密保持政策の下で進められたその船体工事にはただならぬ逼塞感が漂っていた。例えば、ほとんどの作業員は自分たちの担当箇所以外の事を知らず、また工事の内容について話をすることも固く禁じられた。また、船体の周囲には巨大な簾が張られ、その姿は外部から遮蔽された。さらに、造船所周辺も厳しく警備され、不審者は徹底的に摘発された。無論、工事現場に出入りする人員も厳しく管理された。
事故や不安を乗り越え、ようやく完成されその全貌を明らかにした戦艦武蔵。そのサイズや研究され尽くされた構造は不沈の戦艦としてシンボル化され、異様な存在感を示した。しかし、実戦においては期待していた程の目覚しい活躍をすることがなく、また造船に携わった人々の努力がこの上なく虚しく感じるほどに、武蔵は沈んだ。
読了: 2003年9月
| 評価項目 | 評価 |
| 一気に読めた | ★ |
| 感動した | |
| 勉強になった | ★ |
| 知的興奮を覚えた | |
| 笑えた | |
| 色々考えさせられた | ★ |
| ストーリーが良かった | ★ |
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