関ケ原の戦い―日本史上最大の大会戦

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関ヶ原連判状 安部龍太郎 新潮社


秀吉亡き天下に再び戦乱の気配が漂う戦国末期。

石田三成は田辺城に立てこもる細川幽斎を狙っていた。

細川幽斎が持っていると思われる連判状には、合計百万石からなる諸大名の血判署名が記されてあった。幽斎は、連判大名の領地を皇室所領とすることで朝廷に力を持たせ、豊臣・徳川両家に対抗しようとした。幽斎はやりやすかっただろう。朝廷が欲する古今伝授(古今集の読み方を伝授するもの)が出来る教養人は当時幽斎ただ一人だけだったからである。幽斎と朝廷を結ぶものは古今伝授だったのだ。さらに、連判状に添えられた密書には天下に知られざる事実が隠されていた。それは秀吉が本能寺での信長暗殺計画に加担したことを証明したものだった。幽斎と光秀が事前に秀吉を抱きこんだのである。(光秀は秀吉を信頼していなかったが)しかし、(案の定というべきか)秀吉は土壇場でその計画を裏切り、山崎の合戦で光秀を破った。結果的に信長の仇を討ったことになり、天下人となった。しかし、幽斎は豊臣家の失墜を目論み、その当時の密書を天下に公表しようと企んだ。

豊臣家に仕える石田三成が様々な方法で連判状奪取を試み、幽斎に負けじと朝廷工作に乗り出すがどうにも幽斎のほうが一枚上手だったようだ。教養もさることながら、幽斎はしたたかないくさ人でもあったのだ。

石田三成が登場する小説でしばしば目にするのが以下のフレーズである。

「三成に過ぎたるものが二つあり 島の左近に佐和山の城」

見事な五七調である。見方によっては痛快であり、また冷酷でもある。確かに、島左近は有能な軍師であり、佐和山の城は大きかっただろう。しかし、三成はけっして無能ではなかったはずだ。

読了: 2000年 4月

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