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ケータイ版

 

酔って候 文春文庫


表題作を含む四篇。いずれも幕末を舞台に描かれた短篇が収録されている。

山内容堂が主人公として登場する表題作も面白かったが、肥前の鍋島が登場する「肥前の妖怪」も面白かった。しかし、それら短篇集の中で最も興味深かったのは、「伊達の黒船」だった。提灯の張り替え屋を営む冴えない男・嘉蔵が、殿様の命令により西洋式の蒸気軍艦を作り始める、といった内容のもので、大抜擢された嘉蔵が西洋の技術を身につけようと努力しついに作り上げてゆくその姿に、技術者としての誇りと苦労が見られた。

当時、土佐の山内容堂、薩摩の島津斉彬、伊予宇和島の伊達宗城、肥前の鍋島らは「賢侯」と呼ばれ、他藩からも一目置かれていた。ちなみに島津斉彬は他の幕末ものの小説にもしばしば登場し、その「賢侯」ぶりが随所に見られた。

読了: 2001年11月

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