誇り ---ドラガン・ストイコビッチの軌跡--- 木村元彦 集英社文庫
ユーゴスラビアが誇る国民的英雄、ドラガン・ストイコビッチを描いたノンフィクション。
ニックネーム、「ピクシー」の本当の由来や、代表デビュー戦でのエピソード、政治的理由による国際大会不参加や、所属チームの八百長疑惑による虚脱感、怪我による無力感、そして日本で味わう様々なギャップ、名将・ベンゲルを監督に招いてからの華麗なる復活など。また、フィールド上ではうかがいしれないピクシーの人間的魅力も描かれている。
特に印象に残ったエピソードを一つ。
ピクシーはフランスとの国際親善試合で代表デビューを果たす。当時フランスを率いていたのは「将軍」と呼ばれていたプラティニだった。憧れの選手プラティニが自分をマークに来た時、ストイコビッチは舞い上がってしまうが、その時プラティニにユニフォーム交換を求めるところが初々しくて何とも微笑ましい。その時のプラティニの台詞がまた何ともカッコ良い。試合終了後、無事ユニフォーム交換を果たしたストイコビッチは、そのプラティニのユニフォームを現在も家宝として大切に保管しているという。
本書はストイコビッチファンにとって色々な意味で涙モンの一冊だ。ドキュメンタリーほど人を感動させるものはない。そう確信した一冊である。
ストイコビッチが日本に来る。その知らせを聞いて驚いたサッカーファンは少なくないはず。嬉しい反面、どこか悲しかった。ピークを過ぎた引退間近の選手が最後に行きつくところが J-League。発足当事はそんな印象があったからだ。が、そんなことはどうでもいい。その昔、私はストイコビッチのポスターを部屋に貼っていた。90年イタリア・ワールドカップの時に撮影されたものだ。破れたところを裏面からセロテープで何度も補正した。私がそれ程憧れた選手が、自分のキャリアとしてJ-Leagueを選び、現在日本でその才能を充分に発揮しているのだから。
読了:2000年 10月
そんな彼も2001年のシーズンで引退したが、2008年のシーズンには監督としてJに復帰した。
| 評価項目 | 評価 |
| 一気に読めた | ★ |
| 感動した | ★ |
| 勉強になった | ★ |
| 知的興奮を覚えた | |
| 笑えた | |
| 色々考えさせられた | ★ |
| ストーリーが良かった | ★ |
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