高山右近 加賀乙彦 講談社文庫
キリスト教が布教された戦国時代。当時の有名な切支丹として黒田官兵衛、細川ガラシャ夫人などが挙げられるが、高山右近もその一人。本書では武将としての戦場での活躍はそれほど描かれておらず、むしろ天下平定後、彼の晩年に見られる信仰心に満ちた人生が中心に描かれている。
信長に庇護されある程度世に広められたキリスト教だったが、秀吉・家康時代には政策が一転し、江戸時代には本格的な禁制が布かれた。迫害を受ける立場になった切支丹たちは改宗する、あるいは隠れ切支丹となることで難を免れた。しかし、右近は信仰に生きることを選んだ。彼は筋金入りの切支丹だったようだ。右近はやがて呂宋に追放され、彼の地で生涯を終えるまで信仰を貫いた。
戦国時代に戦場での実績があった右近は、適当に転んだ(改宗した)ふりをすれば無難な人生を歩めたはずだが、真に信仰を貫くと言うのはどうもそう言うことではないようだ。
読了: 2003年09月
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