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間宮林蔵 講談社文庫
樺太は清国領の地続きで半島である、という諸外国の定説を覆し、世界で初めて樺太が島であることを実証した江戸後期の探検家・間宮林蔵の生涯を描いた小説。
少年時代に堰切り、堰き止め工事に興味を持っていた林蔵はやがて堰工事の役人に声をかけられ、測量、地図作成などを手伝うようになった。やがて役人になった林蔵は幕命を受け樺太へ向った。当時、樺太南部はすでに調査済みだったが、北部は謎の地域とされ世界地図にも記されていなかった。樺太は島か半島か。清国と樺太の間に海峡があれば島であることが実証される。要するに、樺太南部から西海岸を北上し最北端を回ったところで今度は東海岸を南下し、樺太南部の出発点に戻ることが出来れば離島であると実証できる。かくして林蔵は最北端にたどり着いた。東海岸から南下することは適わなかったが、しかし最北端の地でさらに北に広がる大海原を認めただけで林蔵は満足した。この時点ですでに世界史的な大発見をしていたのだ。さらには海峡を渡り異国の地を踏んだ。帰国後地図の作成にとりかかり、挿絵付きの紀行文を添えて幕府に提出した。さらに、師伊能忠敬の意思を継ぎ蝦夷図を完成させ、ついに日本地図が出来上がった。長崎に滞在していたシーボルトが複写を国外に持ち出そうとしたところを考えると、その地図は完成度が高く外国人にとっても重要な資料だったに違いない。林蔵の快挙は海防策を唱える開明者たちの間にも知れ渡り、林蔵のところには多くの知識人たちが訪れてきた。、と大活躍の林蔵だが彼の後半生は一転して不遇だった。何がどう不遇だったかを知りたい方は実際に本書を読んでみてください。
読了: 2001年3月

茨城県伊奈町の間宮林蔵生家。想像していたよりも屋内は広かった。

隣接する記念館正面の間宮林蔵像。
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