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ケータイ版

 

桜田門外ノ変(上・下) 新潮文庫


水戸学を学び攘夷思想に目覚めた水戸藩士は、開国派の大老・井伊直弼と激しく対立していた。大老暗殺を企てた水戸藩士を話の軸に事件の全容が描かれている。

以下、私が読中最も緊迫感を抱いたくだりを簡単に要約・紹介する。

安政七年 (1860) 三月三日、水戸藩士・関鉄之介以下十七名は、大名行列と共に江戸城に入城する大老、井伊直弼を暗殺すべく桜田門外に集結した。この日のために練りに練った作戦は成功するのだろうか。鉄之介の神経は極度の緊張感の中で昂ぶっていた。行列の見物人を装う首謀者たち。武鑑を見るもの、おでんを片手に口を動かす者、盃を傾け口元へ運ぶ者。

眼光だけは鋭かったであろう。

やがて一発の銃声と共に大老の駕籠に斬りかかる。この日の江戸は雪だった。警護の者達は湿気を恐れ刀の柄に袋をかぶせていた。

ここに捨て身の水戸藩士との戦闘意識の差が歴然と表れる。

余談ながら、この文庫本の上巻の表紙を右に、下巻の表紙を左に置き、二冊並べると一枚の駕籠の絵になる。その駕籠は、大老が襲撃された直後の駕籠である事は想像に難くない。

↑ほらね。

水戸藩所縁の弘道館。館内には藤田東湖、武田耕雲斎、徳川斉昭、徳川慶喜などの肖像画を始め多くの資料が展示されている。水戸藩主体の小説を読んでここを訪れると感慨深い。

読了:1999年 6月

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