くろふね/佐々木譲

浦賀奉行の与力として海防を学び、幕末の対米交渉にも携わり、さらには西洋造船も手がけた幕臣・中島三郎助が主人公。

外国船打払冷で出動した際に初めて黒船を間近に見た。それが彼の人生の始まりだったといっていい。海防の仕事で台場に勤め、砲術を会得するが、砲台の貧弱さは歴然。向上心・好奇心の強い三郎助はアメリカ文明の摂取に傾倒した。 続きを読む

天下城/佐々木譲

戦国時代の築城の中でも特に石積みの技術に秀でた職人集団がいた。多くの石垣を築いてきた近江の穴太衆の一人が本書の主人公・戸波市太郎だ。

滋賀城陥落を目の当りにした少年時代の市太郎。以来、難攻不落の城を築かんと自らの夢を定めた。兵法者・三浦雪幹に師事し、漢籍を学びながら諸国の城を見て回る。城を見る目が肥え、多少の学問も身についた市太郎だが、まだまだ兵法者と呼ぶには程遠い。 続きを読む

武揚伝/佐々木譲

幕末維新の政変において旧幕府軍の海軍を率い、薩長率いる新政府軍と最後まで戦い抜いた榎本武揚の人生を描いた小説。

幕臣の家に生まれ育った釜次郎(のちの武揚)は利発で好奇心旺盛な少年だった。彼の父親は測量術と天文学の専門家であり、彼の、地球儀を眺めながらのグローバルな話題は釜次郎を夢中にさせた。釜次郎の後生を形成した大きな要因だった。 続きを読む