鎌倉時代初頭、浄土真宗を開いた親鸞の生涯を描いた小説。
源氏の血を引く藤家に生まれた十八公磨(まつまろ – 後の親鸞)。しかし、世は平家の時代。不遇の環境に育った十八公磨だったが、作品中の彼からは幼子らしさを見せる一方、気高く、神童の気配をも感じさせる。後に剃髪した十八公磨は法名を範宴とし、叡山に入った。それでまだ九歳だ。 続きを読む
鎌倉時代初頭、浄土真宗を開いた親鸞の生涯を描いた小説。
源氏の血を引く藤家に生まれた十八公磨(まつまろ – 後の親鸞)。しかし、世は平家の時代。不遇の環境に育った十八公磨だったが、作品中の彼からは幼子らしさを見せる一方、気高く、神童の気配をも感じさせる。後に剃髪した十八公磨は法名を範宴とし、叡山に入った。それでまだ九歳だ。 続きを読む
後継ぎ以外はすべて他家の養子になる、或いは臣籍に養ってもらうなどして、決して城内に住むことが許されない。これが井伊家のしきたりだった。そして、どちらも選ばぬものには適当な禄を与え、本人の自由にさせる。そしてそのどちらも選ばなかった男が井伊直弼だった。自ら「埋れ木之舎(うもれぎのや)」と称した家に住み、侘しい生活を送っていた。
ところが、井伊家の後継ぎが間もなくして没してしまった。残された後継ぎ候補者は直弼ただ一人だけだった。ここから彼の人生が変わった。大老になった直弼は、幕府の権威を保つために尊王、攘夷派の志士を弾圧し、独裁的な地位を築いた。 続きを読む