舞台は北漢末期(10世紀後半)。物語は楊一族を中心に展開していく。
先ずは周辺諸国との位置関係。楊軍が属する北漢は北の遼、南の宋に挟まれていた。北漢に限界を感じた楊一族はやがて敵である宋に帰順し、遼と向かい合う。 続きを読む
舞台は北漢末期(10世紀後半)。物語は楊一族を中心に展開していく。
先ずは周辺諸国との位置関係。楊軍が属する北漢は北の遼、南の宋に挟まれていた。北漢に限界を感じた楊一族はやがて敵である宋に帰順し、遼と向かい合う。 続きを読む
作家、北方謙三が一人のカメラマンを伴い、シカゴ~ニューオリンズ間ロングドライビングの旅に出た。本書はその時のことを綴ったエッセイ集だ。
当時、著者は免許を取りたてだったらしく、運転の動作一つ一つに対する彼の新鮮な喜びや苦悩(?)などについてを語ったくだりを読むと、私自身の初心者ドライバー時代が思い起こされ思わず笑みがこぼれた。著者の不慣れな運転に半ば脅える同乗カメラマンとの掛け合いトークもまた然り。また、著者はただ走ることを己自身の人生に例えている節が見受けられたが、それには私の心のどこか奥深くに訴えるものを感じた。 続きを読む
治安の悪化に伴い悪党が現れ始めた鎌倉末期。本書の主人公・赤松円心もその一人だ。物語は播磨を中心に畿内全体へと展開していく。
六波羅探題の荷駄を奪うシーンから物語が始まるあたりがいかにも悪党らしい。しかし、ただの野伏りや溢者とはどこか違っていた。円心の行動には代官への抵抗の意味もあったが、心の中では何か別のものも求めていたようだ。悪党として名を挙げたいという野望や功名心と言うよりも、自分が生きた証のようなものだ。 続きを読む
北条氏の権力が衰え始めた鎌倉時代の後半、反幕分子の一つに悪党の存在があった。その悪党たちの間で最も良く知られているのが河内の悪党、楠木正成であろう。
武装はするが武士とは戦わない。むしろ荘園内での小規模な戦闘が多かった。正成は自らの軍を調練し、商いで財を成すことで楠木一党を成長させ、次第に勢力を拡大していった。 続きを読む