明治時代に航空機の研究をした二宮忠八が主人公。幼い頃から凧作りと絵の才能に長けた忠八は学業にも秀で、塾では飛び級扱い。 商家に生まれるが、長兄と次兄による放蕩で事業が失敗。家は破産し、忠八は中学に進学せずに呉服店に奉公に出る。
奉公先で子守ばかりの生活に膿んだ忠八は再び凧作りに熱を上げるようになった。写真館の助手や薬種商、測量などの仕事を渡り歩き、ある日の新聞記事で軽気球の存在を知り興奮する。忠八は気球を模した凧をあげ、舞った凧からチラシを蒔くカラクリを研究するが、このあたりは読んでいて実に楽しげだ。 続きを読む