孫子/金谷 治 訳注

古代中国で著され、なお現代においても読み継がれている孫子の兵法。

兵法というだけに、その内容は戦の指南書のようだが、少し見方を変えれば現代生活のあらゆる状況にも応用出来そうな部分もある。無論、それをどう運用するかは人それぞれだ。本書が中国古代兵法書の最高峰とされているようだが、一読してみるとその理由が少しはわかる。 続きを読む

チャウシェスク銃殺その後 —ルーマニアはどこへ—/鈴木四郎

1980年代後半から1990年代初頭にかけて、東欧諸国では民主化の動きが活発化していた。そのなかで、チャウシェスク大統領銃殺という衝撃的な流血革命が起きたのがルーマニアだった。

スターリンの再来と指摘され、さらに、毛沢東が取った文化大革命の哲学と思想に深い影響を受けていたといわれるチャウシェスク大統領だったが、そんな彼の失策は大いに国民の不評を買った。 続きを読む

高熱隧道/吉村昭

昭和11年8月、富山県黒部峡谷で着工された発電所電源開発工事は、大自然の脅威と闘いながらの難工事となった。多くの困難に直面しながらもその工事に立ち向かった人々を描いた小説。

トンネル工事を続ける人夫たちを最も苦しめたものは、摂氏165度にもなる岩盤の温度だった。坑内温度も高いところで60度を超えていた。坑内にいるだけでも火傷を負う。熱気を逃がすために堅坑を掘り下げる、人夫たちの体温を下げるために谷川から吸い上げた冷水をかける、等さまざまな工夫を凝らし工事を続けた。しかし、安全基準とは程遠い環境での作業は様々な事故を招いた。雪崩による宿舎の崩壊や、高熱が招いたダイナマイトの自然発火など、人夫たちの犠牲者が相次いだ。 続きを読む