幕末の英雄の一人に数えられるであろう吉田松陰。本書は松陰の母・お滝が杉家(松陰の生家)に嫁ぐくだりから物語が始まる。
その杉家だが、お滝が嫁いだ当初は眼を覆いたくなるばかりの不幸続きで陰気に満ちていた。しかしお滝は、杉家に明るさを取り戻さんと奮闘するのだ。夫・百合之助(松陰の父)もまた、背負った不幸に背を向けずに毎日を勤勉に生き抜いていた。その二人の直向な姿が感動的であり、崇高ささえ覚える。松陰はそんな家庭に生まれた。 続きを読む
幕末の英雄の一人に数えられるであろう吉田松陰。本書は松陰の母・お滝が杉家(松陰の生家)に嫁ぐくだりから物語が始まる。
その杉家だが、お滝が嫁いだ当初は眼を覆いたくなるばかりの不幸続きで陰気に満ちていた。しかしお滝は、杉家に明るさを取り戻さんと奮闘するのだ。夫・百合之助(松陰の父)もまた、背負った不幸に背を向けずに毎日を勤勉に生き抜いていた。その二人の直向な姿が感動的であり、崇高ささえ覚える。松陰はそんな家庭に生まれた。 続きを読む
人の世の悲しさを知り、また神仏に対する疑問を抱いた善日丸(後の日蓮)だったが、やがて発心。人が救われる道を切に求め清澄山に入山。
入山後、様々な煩悩に苦しみながらも自らに厳しく鞭打ち、経文を完璧に近い形で読破した。そんな日蓮が見た当時の日本仏教は様々な宗派に分かれていたが、いずれも日蓮が求め、また真実と認めたものは存在しなかった。後の日蓮曰く、分派は日本仏教の歪みであり、そこに釈尊の真意は存在しない。 続きを読む