主人公、柏木雪雄は名門銀行の幹部役員だったが、詐欺横領の罪により刑務所暮らしを余儀なくされた。全てを失った柏木が本当の自分を探すべく出所後に旅に出た。その旅をしていく過程のなかでの人々との出会いを描いた作品。「プラハの春」、「ベルリンの秋」に続く春江一也第3作。
柏木は判決後、独房の中で自分の心と向き合う日々が続いた。そんな日が続くなか、雪雄は幼き日々の記憶を辿っていた。彼が生まれ育った所は1940年当時のフィリピン、ダバオだ。 続きを読む
華のプラハがワルシャワ条約軍の軍事介入により、一転して悲鳴の飛び交う街へと変貌した。
1968年8月にチェコスロバキアで起こった政治改革運動を描いた小説。当時、著者は在チェコの担当官だった。在勤当時の体験がストーリーのもとになっているのだろう。 続きを読む