ロシア皇太子ニコライが来日訪問中に襲われた。明治日本を戦慄させた大津事件を描いた小説。
ニコライ来日に際し明治政府は国をあげて彼をもてなしていた。長崎入港後,ニコライ一行は日露両国の厳重な警備のなかで各地を訪問。 続きを読む
ロシア皇太子ニコライが来日訪問中に襲われた。明治日本を戦慄させた大津事件を描いた小説。
ニコライ来日に際し明治政府は国をあげて彼をもてなしていた。長崎入港後,ニコライ一行は日露両国の厳重な警備のなかで各地を訪問。 続きを読む
外相小村寿太郎は日露戦争後の条約締結を担ってポーツマスに派遣された。ロシアを含む列強との熾烈な外交を描いた小説だ。
ルーズベルト大統領の仲介でかろうじて戦勝国となった日本だったが、条約締結に際しロシアに強気な態度を取れるような底力は日本には残っていなかった。 続きを読む
不倫を重ねていた妻を殺害し、その不倫相手に傷を負わせ、さらにその自宅に放火して相手の母親を死に至らしめた主人公が、16年の服役を終え仮釈放された。
服役中、主人公は拘束されない生活を強く望み、少しでも早く出所できるようにと勤勉な生活態度を心掛けていた。果たして、いざ仮釈放が決まり社会生活を始めたが、彼は多くの事に戸惑いを覚えた。16年間に渡る服役生活で身に付いた習慣が抜けきれなかったのだ。 続きを読む
「地震計の針の大部分は記録紙の外に飛び出し、さらに震動が激化すると同時に破損してしまっていた。」(本文より)
大正12年9月1日、災害当時の地震学教室での1シーンだ。群発地震に脅える市民や、自らの学説を断固譲らない地震学者たちの様子を描くことから始まるこの作品は、緊張感と共に「その時」を読者に予感させる。 続きを読む
一頭の巨大な羆の出現が平穏な村を戦慄させた。北海道天塩山麓の開拓村で起こった獣害史上最大の惨劇にまつわる一部始終を語った小説。
とある一家の軒下に干されたトウキビが羆に食い荒らされた。その夜は馬が異様にいななき、忍び寄る恐怖が否応にも読者に伝わってくる。羆の行動は次第に大胆になり、やがて人を襲うようになった。被害者の死因が羆によるものだと判明した後はまさに恐怖の連続。 続きを読む