悪者見参—ユーゴスラビアサッカー戦記–/木村元彦

政治に振り回される一般市民やサッカー選手を当事者たちの目線で捕らえている。危険地帯にも足を運んでいたようだ。文字通り体を張った取材記録であろう。前作、「誇り」を読んで感動したのでふたたび著者の本を読んでみたくなった。

読了:2001年6月

以下、2005年9月追記の余談となる。
セルビア・モンテネグロと名を変えた同国は2006年ドイツワールドカップ欧州予選でグループ7に入り、同グループの強豪スペインを抑えてグループ首位で出場を勝ち取った。かつて、欧州のブラジル、タレントの宝庫と呼ばれていた事が記憶にあるが、成績を見る限りでは今なお健在のようだ。国が荒れても、サッカーは強いのだ。Euro ’92 の再現とならないことを願う。