足利幕府の勢力が全国を席巻しつつあり、その力は九州にまで及ぼうとしていた。九州探題を置いた幕府だが、反対勢力たちの存在もままならなかった。牧宮(懐良)が率いる征西軍(南朝)もその反対勢力の一つだ。
九州を統一し、足利幕府とはまったく違う新しい国を造ること。それが懐良の夢だった。九州入りするまでの展開は比較的緩やかだが、後に無双の強さを誇る武将へと成長する菊地武光の登場により物語が加速する。 続きを読む
足利幕府の勢力が全国を席巻しつつあり、その力は九州にまで及ぼうとしていた。九州探題を置いた幕府だが、反対勢力たちの存在もままならなかった。牧宮(懐良)が率いる征西軍(南朝)もその反対勢力の一つだ。
九州を統一し、足利幕府とはまったく違う新しい国を造ること。それが懐良の夢だった。九州入りするまでの展開は比較的緩やかだが、後に無双の強さを誇る武将へと成長する菊地武光の登場により物語が加速する。 続きを読む
舞台は鎌倉幕府崩壊後の東北地方。北条の残党らを抑え、奥州を平定すべく陸奥守に任命されたのが本書の主人公、北畠顕家だ。この時、若干16歳。
父・北畠親房の教育により高度な学問を身につけた顕家だったが、陸奥守就任後は武人としての活躍がほとんどだ。時に上洛し、尊氏を始めとする足利勢を何度と無く打ち破り、一度は九州にまで追いやった。経験や軍学を超えた天賦のものが、顕家には備わっていた。彼の人生を象徴すべく、本書には数多くの戦闘が描かれているが、著者は騎馬隊の戦を描くのが得意のようだ。 続きを読む
鎌倉時代初頭、浄土真宗を開いた親鸞の生涯を描いた小説。
源氏の血を引く藤家に生まれた十八公磨(まつまろ – 後の親鸞)。しかし、世は平家の時代。不遇の環境に育った十八公磨だったが、作品中の彼からは幼子らしさを見せる一方、気高く、神童の気配をも感じさせる。後に剃髪した十八公磨は法名を範宴とし、叡山に入った。それでまだ九歳だ。 続きを読む
人の世の悲しさを知り、また神仏に対する疑問を抱いた善日丸(後の日蓮)だったが、やがて発心。人が救われる道を切に求め清澄山に入山。
入山後、様々な煩悩に苦しみながらも自らに厳しく鞭打ち、経文を完璧に近い形で読破した。そんな日蓮が見た当時の日本仏教は様々な宗派に分かれていたが、いずれも日蓮が求め、また真実と認めたものは存在しなかった。後の日蓮曰く、分派は日本仏教の歪みであり、そこに釈尊の真意は存在しない。 続きを読む
元寇に際し、幕府、宋、高麗に深く関わった竹崎(海原)四郎季光を描いた小説。
主人公・竹崎(海原)四郎季光が大海原での生活に生きがいを求めていたある日、刀商人源九郎と出会い、輸送船に乗り宋へ向った。高麗、宋を渡り歩いた季光は帰国後に厚待遇を受ける。モンゴルの東方進出に脅える幕府にとって季光の知識は国防上貴重な情報源だったのだ。 続きを読む