儀式/ロバート・B・パーカー/菊地光 訳

私立探偵・スペンサーシリーズ。

富豪の娘が姿を消した。その娘の名はエイプリル。彼女を探し出すのがスペンサーが受けた依頼だった。売春組織に身を置いていたエイプリルだったが、スペンサーの動きを敏感に嗅ぎ取ったその組織は巧みに彼女を隠していた。やがて調査を進めるスペンサーが知った売春組織の意外な事実とは。 続きを読む

血族/シドニィ・シェルダン

世界規模の製薬会社ロッフ。創始者サミエル・ロッフの意向通り、重役に血族のみを揃え、株を公開することなく事業を展開していた。

が、株の公開に否定的だったのは社長のサム・ロッフのみで、重役は皆、株の公開を望んでいた。重役それぞれが深刻な個人的事情で大金を必要としており、公開された株を売ることでそれらの解決を切望していたのだ。そんな時、サム・ロッフが突然の事故死。社長の椅子を継いだのは娘のエリザベスだった。 続きを読む

ザ・ファイナル・オプション―騙し人II/落合信彦

前作、「騙し人」の続編。

国際詐欺師の被害に遭った零細企業。彼らは警察に訴えるが証拠不十分のためどうすることも出来なかった。しかし、それでもどうにかしたい警察は辣腕詐欺師に協力を頼んだ。その男、足立梵天丸。前作でお馴染みの登場人物だ。しかし、足立は詐欺師を引退し、現在はレストランを経営しささやかな生活を楽しんでいた。 続きを読む

小説 吉田学校/戸川猪佐武

戦後の政治史を描いた政治小説だ。

GHQ占領下におかれていた当時の政界の首領が吉田茂だった。彼は池田勇人、佐藤栄作などといった官僚出身の政治家を党(自由党)に入れ、本人の言う「政策型」の政治家を育成した。それが吉田学校だった。新潟から上京し、裸一貫から総理になった田中角栄も吉田学校出身者のようだった。小説の中で登場する若手政治家の何人かは、後に総理大臣になっている。 続きを読む

初秋/ロバート・B・パーカー/菊地光 訳

私立探偵・スペンサーシリーズ。ハードボイルドファンにはお勧め。

探偵ものというよりは、人間ドラマの色合いが強い。屈強の男・スペンサーと心に傷を負った少年ポール。スペンサーの働きかけだったり、それによって変わっていくポールの成長ぶりだったりが感動できる作品だ。 続きを読む