作家、北方謙三が一人のカメラマンを伴い、シカゴ~ニューオリンズ間ロングドライビングの旅に出た。本書はその時のことを綴ったエッセイ集だ。
当時、著者は免許を取りたてだったらしく、運転の動作一つ一つに対する彼の新鮮な喜びや苦悩(?)などについてを語ったくだりを読むと、私自身の初心者ドライバー時代が思い起こされ思わず笑みがこぼれた。著者の不慣れな運転に半ば脅える同乗カメラマンとの掛け合いトークもまた然り。また、著者はただ走ることを己自身の人生に例えている節が見受けられたが、それには私の心のどこか奥深くに訴えるものを感じた。 続きを読む