幕末の医師、松本良順の半生を描いた小説。
長崎帰りの目付・永井玄蕃頭らの計らいにより、長崎でのオランダ医術習得への第一歩を踏み出した良順。オランダ人医師・ポンペに従事し、基礎から実践までを高いレベルで学んだ。 続きを読む
幕末の医師、松本良順の半生を描いた小説。
長崎帰りの目付・永井玄蕃頭らの計らいにより、長崎でのオランダ医術習得への第一歩を踏み出した良順。オランダ人医師・ポンペに従事し、基礎から実践までを高いレベルで学んだ。 続きを読む
水戸学を学び攘夷思想に目覚めた水戸藩士は、開国派の大老・井伊直弼と激しく対立していた。大老暗殺を企てた水戸藩士を話の軸に事件の全容が描かれている。
以下、私が読中最も緊迫感を抱いたくだりを簡単に要約・紹介する。 続きを読む
大名行列に乱れ行ったイギリス人を薩摩藩士が斬り付けた事により薩英間に緊張が走った。
イギリス側は幕府に賠償金を求めるが、幕府は支払いを渋りに渋った。イギリス側は幕府を見限り直接薩摩藩に交渉を持ちかける。 続きを読む
過激な攘夷論者たちの間で最も過激といわれた水戸藩。その中に苛烈を極めた武装集団がいた。天狗党。
彼らは筑波山で挙兵し、例幣使道を通り日光東照宮を目指した。栃木町、宇都宮、鹿沼、今市などを通るが、彼らは行く先々で住民たちから恐れられ、また時には地元住民から圧力を受けるなどして、厄介者の印象が拭えない。 続きを読む
外圧が高まる幕末にロシア、アメリカなどの列強との外交に辣腕を振るった勘定奉行・川路聖謨の生涯を描いた小説。
川路とロシア使節プチャーチンは北方領土の国境問題をめぐり一進一退の交渉を続けた。詳細な事実を収集し、交渉時の裏付けをとるが、プチャーチンも様々な見地から弁論し一歩も譲らなかった。一座は緊迫し何度も交渉が中断された。何やらただならぬ雰囲気が読者に伝わってくるが、同時に日露両国間による心の交流も描かれており、時折微笑ましくさせる。 続きを読む