真夜中は別の顔/シドニィ・シェルダン

米空軍のエースでプレイボーイのラリー、知性と美貌を兼備えたキャサリン、女性の武器を最大限に利用してバイタリティ溢れる人生を送るノエル、そしてこの3人を取り巻く人々が繰り広げる、文字通り、手に汗握るサスペンスの傑作。

と、ここからいつも通りに大まかなあらすじを述べ、最後に一言感想を付け加えるつもりでいたのだが、本書に関してはそれをしない。一言でもストーリーに触れたら面白さが激減してしまいそうだからだ。

読中、とにかく私は次の展開にわくわくしながら読みふけってしまった。この手の本は大抵、物語の最終章に辿りつく頃には大勢が決しており(あるいは結末にある程度の予想がついてしまい(それが当たっているか否かは別だが))、一呼吸おいてからその後の惰性でエンディングを読むことが多い。少なくとも私の場合は。しかし、本書には最後の最後までしっかり読まされた。

この作品をはじめて知ったのは、およそ8年前にペーパーバックで原作を読んだ時だった。今回もそうだが、原作を読んだときもお借りしたものだった。しかし、まぁ、8年も経てば例え同じ本でも面白いと感じる所も随分と変わってくるものだ。

読了: 2003年2月